CLASS INTRODUCTIONS

労働経済論

小川 浩准教授

労働経済論福祉・環境・公共政策コース指定科目

「ひと」を中心とした様々な課題に挑む

「労働経済」ということばを見たときに、みなさんは何を連想するでしょう? バイト先で給料が遅れるような話? テレビや新聞で流れる就職活動の話? それとも、両親が残業続きで家に帰ってこないような話? これはぜんぶ、労働経済であつかうテーマです。それどころではありません。少子高齢化問題も、外国人労働者問題も、人手不足も失業もおよそ「ひと」が中心となっていることは、すべて労働経済のテーマになります。たとえば典型的な労働っぽいテーマとして就職のことを考えてみましょう。就職という話の中には「企業が何人雇いたいか」「雇って欲しい人が何人いるか」といった人数のこと、「どういう人が仕事を探しているか」「企業はどういう人を雇いたいか」といった人の性質のこと、「人を雇う」ことから生じる個人と企業の責任問題などが含まれています。人数だけ考えても、全体の人数は生まれたときに、大卒者なら22年くらい前に決まっていますが、ある年に何人子どもが生まれるかを考えるためには人々の結婚・出産行動の分析が必要です。企業が何人雇いたいかは、企業内での年齢分布や景気、事業をどの国・地域でこれから伸ばすかなどの判断と関係しますから、景気や企業行動に関する分析も要ります。このように間口が非常に広いのが労働経済の特徴ですが、「労働経済論」では実際のデータからさまざまな課題を確認し、それについて経済学の考え方で解釈を加えるというスタイルで授業を行っています。

計量経済学

中西 勇人助教

計量経済学市場・企業・産業コース指定科目

データに踊らされない堅実な分析スキルを獲得する

計量経済学は、経済データを経済モデルを通して分析することで政策や事業の評価を行う経済学の一分野です。このように聞くと、自分には非常に縁遠いもののように感じてしまうかもしれませんが、計量経済学は皆さんの日々の意思決定にも役立つ、考え方のツールボックスを提供します。
たとえば、「英語ができる学生は偏差値が高いので、国語や数学ではなく英語の勉強時間を増やすことが難関大学合格の近道だ」という主張を皆さんは信じますか?もしも、この主張が間違いなのに、それを信じて国語や数学の勉強を減らして英語の勉強時間を増やせば、大きな損失を負うことになるでしょう。
「英語ができる学生は偏差値が高い」という主張は受験生ごとの英語の成績と全教科の偏差値が分かれば真偽を確かめられます。しかし、「英語ができる学生は偏差値が高い」としても、この情報だけから「国語や数学ではなく英語の勉強時間を増やすことが難関大学合格の近道だ」とは言えません。たとえば、お金持ちの家庭ほど幼少時から英会話を習うことができるでしょう。ゆえに、英語ができると偏差値が高いという関係は、両親の能力が高く高収入だと子どもも学力が高いという関係を反映しているだけかもしれません。これは英語の受験勉強の時間と関係ありません。
受験において英語の勉強時間を増やすのが有利だと信じるには、控えめに言っても「1日の勉強時間が同じ受験生同士でも英語に割く時間の割合が大きい受験生は、そうでない受験生とくらべて偏差値が高い」のかを明らかにするべきでしょう。 このためには、偏差値や成績のデータだけでなく、受験生の教科ごとの勉強時間のデータが必要だと分かります。 このように、データから本当に言えることは何なのか、自分の言いたいことを説明するためにはどんなデータが必要なのか、丁寧に考えるための方法を「計量経済学」では学びます。

高校生へのメッセージ

計量経済学には、数学の力も必要ですが、それ以上に、他人だけでなく自分の主張も客観的に分析する科学者のような姿勢が重要です。みなさんがこれから社会で直面する問題には、答えなど設定されていないのですから、この姿勢を身につけることは、皆さんが思う以上に人生を豊かにしてくれるでしょう。

開発経済学

柳澤 和也准教授

開発経済学国際経済・社会コース指定科目

発展途上国の経済成長をどのように実現するか

開発経済学は、発展途上国に工業化と経済成長をいかに促していくかを考える経済学の一分野です。人間は、普通、より多くの所得をより安定的に手にしていく状況をつくりだしたいと望んでいます。国や民族を問いません。しかし、発展途上国で暮らす人々のそうした思いは、資本の不足や諸制度の不備、あるいは伝統的価値観の妨げなどの様々な要因によってしばしば打ち砕かれています。発展途上国に工業化と経済成長を促す枠組みを提起したい開発経済学では、経済学の基礎となるミクロ経済学やマクロ経済学をはじめ、それらを応用した国際経済学や都市経済学などの知識、さらには法学、社会学、歴史学、人口学などの周辺社会科学分野の素養も求められます。開発経済学は、何よりも多角的な視野からの接近を必要とする科目であると認識してください。

高校生へのメッセージ

今日の経済活動は、国境を越えて強く結びついています。開発経済学がコース指定科目となっている国際経済・社会コースでは、国際経済の仕組みとその動向について学ぶ科目にはじまり、国際経済の動向に多大な影響を及ぼす主要地域と主要国の経済について学ぶ科目が配置されています。国際経済・社会コースを選択してこれらの科目を集中的に履修すれば、国際社会や日本社会が抱えている困難をよく理解できるだけでなく、学生や社会人として今後直面するに相違ない様々な難題への対応力が身につきます。

ロジカルシンキング

三浦 慎太郎准教授

ロジカルシンキング経済分析専攻基本科目

目先の物事にまどわされない,確かな思考力を形成する

「ロジカルシンキング」とはどのような科目なのでしょうか。あまり馴染みのない言葉なので、想像しづらいことでしょう。何かしら難しそうなイメージを抱いてしまう人もいるかもしれません。直訳するとこれは「論理的思考」と呼ばれるもので、要は「物事のブレない見方・考え方」だと思ってください。
現代経済学では私たちの目に映る社会現象の全てが研究対象となります。経済成長や財政問題といったいわゆる経済問題だけでなく、紛争やテロなどの国際問題や、いじめ・偏見などの社会問題、さらにはうまくいく合コンのあり方まで、人と人の関わり合いによって生じるあらゆる出来事を扱います。最近ではAIや機械学習なども研究されつつあります。このような広範な対象を扱う上で重要なことは、どんな場面でも使える汎用性の高い「物事のブレない見方・考え方」を持つことです。本科目ではそのための基礎訓練を行います。授業の前半では論理や集合論、確率論を、後半ではデータの読み方などを解説します。どちらの内容も現代経済学を学習する上で欠かすことのできない知識です。また学生はあらかじめビデオで授業内容を学習し、授業内で問題演習を行う「反転授業」の形式をとっていることも特徴の一つです。

高校生へのメッセージ

経済分析専攻では数理的な手法を駆使してあらゆる社会現象を分析します。最初は取っ付きづらいかもしれませんが慣れれば一気に「視界」が広がります。興味ある学生の参加を待っております。

経済情報処理

工藤 喜美枝特任教授

経済情報処理データ分析コース指定科目

情報の洪水を乗り越える技術を身につける

現代社会には様々な情報があふれています。数値データや文字情報のほか、画像・映像の情報、音声・音楽の情報などもあります。たとえば、テレビ・新聞のニュースやスマートフォンから得られた交通機関の遅れなども文字・画像・映像・音声の情報ですね。そういったものも含め、多くの情報を素早く的確に処理するためにはコンピュータを利用することが大変有効になります。
大学では、得られたデータを計算やグラフで分析したり、調査したことをレポートにまとめたり、みんなの前で発表したりすること(プレゼンテーション)があります。経済情報処理では、パソコンを用いて数値データを処理する方法、文字データを処理する方法、プレゼンテーションするためのツールの使い方などを学びます。また、情報検索やメールの利用方法なども合わせて学ぶことによって、パソコンを不自由なく効果的に利用できるようになります。「経済情報処理」は、座学ではなく演習科目です。授業は、説明よりもパソコンの操作を行うことに時間を割いています。

高校生へのメッセージ

情報を正しく利用する知識やコンピュータを上手に活用する技術・技能は、大学生だけでなく社会人になっても必須です。スマートフォンも便利ですが、やはりパソコンを使えなければ困ります。積極的にパソコンを使用することが大切です。

国際ビジネス論

山本 崇雄教授

国際ビジネス論貿易・国際ビジネスコース指定科目

多国籍企業ならではのマネジメント課題に向き合う

国際ビジネス論では、海外展開している企業(多国籍企業と呼ばれる)に特有な経営・マーケティングに関する領域に焦点をあてています。具体的には、国内企業と多国籍企業のマネジメントでは何が異なるのか、また多国籍企業ならではの優位性(強み)と課題(弱み)は何なのかといった点を論じていきます。 たとえば、多国籍企業では様々な国籍や文化に属し、異なる考え方を持つ従業員が同じ職場で働くわけですが、こうした従業員の「ダイバーシティ(多様性)」は企業業績にマイナスに作用しえます。しかし、有効なマネジメントを行えばプラスに作用しうることが明らかにされています。このように、マネジメントのやり方次第で弱みを強みに変えることができるわけです。 また、戦略やマーケティングの側面では、海外各国の消費者ニーズにマッチした戦略展開や製品開発が求められる一方で、多国籍企業全体としては数多くの海外子会社を束ねて一組織を融合しなければならないという、「分散と統合」の課題があります。こうした多国籍企業ならではの複雑な課題をいかにマネジメントするのか、をこの講義では学びます。

高校生へのメッセージ

国際化が遅れた日本企業でさえ、大企業だけでなく中小企業も、海外展開が当然のようになされる時代になってきました。国際化した組織(多国籍企業)ではどのような課題があるのかを知ることは意義があると思いますので、一緒に学びましょう。

消費者行動論

藤井 誠助教

消費者行動論経営・マーケティングコース指定科目

「自分の意のままにならない他者」である消費者を知る

普段の私たちの生活は、製品(サービス)を購入・使用・処分することで成り立っています。では、私たちは数多くの製品の中からどのように特定の製品を購入するという意思決定を行っているのでしょうか。たとえば、以下のような経験をしたことのある方は少なくないのではないでしょうか。

  • 製品を購入する時、周りの人からどのように思われるか、自分に似合っているかどうかを気にして購入する。
  • 流行のファッションを取り入れることで友人からの賞賛を得ようとするも、友人も似たような服装を着ていてかぶってしまう。

このような日常起こりうる例をキッカケに改めて考えてみると、消費者の行動は不思議なことのように思えてきます。ですが、自社の製品を購入してもらいたい企業にしてみれば、消費者の行動が不思議なままでは困ったことになります。企業が経営活動を進める上で、消費者がなぜ・どのように消費を行っているかがわからなければ、自社の製品を選択・購入してもらうことは難しいでしょう(恋愛に置き換えてみるとよくわかるはずです)。そのため、消費者行動論は、「自分の意のままにならない他者」である消費者を理解するための科目として、重要視されてきました。そこで、この講義では、心理学や社会学、文化人類学などの他の学問領域の知見を参考にしながら、消費者行動に関する様々なトピックについて学んでいきます。

高校生へのメッセージ

最近購入した製品や流行している製品を対象に、「なぜ自分はこの製品を購入したのか?」、「なぜこの製品は流行しているのか?」といったことに関心を向けてみることが消費者行動を理解する第一歩になります。

現代会計学

小川 淳平准教授

現代会計学企業・会計コース指定科目

「良い企業」を見極めるための道具を身に着けよう

「良い企業」とはどのような会社だと思いますか? 知名度が高いことでしょうか? 規模が大きいことでしょうか? それとも、給料が多いことでしょうか? 会計学は、企業や産業を評価するための視点と道具を提供します。現代会計学では、今日の企業経営をとりまく重要なトピックとして、情報公開、コーポレート・ガバナンス、不正、監査、およびグローバリゼーションを取り上げます。利益や配当が増えると株価は上がるのか、経営者は企業のためだけに行動するのか、会計不正はなぜ起こるのか、公認会計士による監査は企業の不適切な行動を見抜けるのか、“IFRS”とはなにか、グローバル企業はどのような租税回避行動をとるのか、そしてグローバル化が進むことで企業そして社会はどのように変化するのか、などについて考えます。会計(情報)が社会で果たしている役割について、具体的な事例や記事を用いて検討していきます。前半は基本的な知識や考え方を説明し、後半は出席者間でディスカッションをします。自分の考えを述べ、また周りの学生の意見に触れて、相互に高めあうことを目指します。

高校生へのメッセージ

皆さんは、テレビやインターネットの記事などで見聞きしたことを、そのまま「自分の意見」にしていませんか。この授業では、社会で起こるさまざまな出来事を会計(学)の視点から観察するチカラを磨きます。