COURSE IN THE MARKET, CORPORATIONS, AND INDUSTRY

経済社会のメカニズムに迫る

市場・企業・産業コースでは、経済活動を担う市場・企業・産業の相関関係にスポットを当て、経済社会のメカニズムと実態に迫ります。本コースでは、経済理論に基づいた企業や市場に関する専門的知識、統計学や計量経済学で扱われる経済事象に対する客観的な分析手法を学びます。これらの専門的知識に裏打ちされた知性と教養を身につけ、複雑に絡み合う現代の資本主義市場経済を系統的に理解することを目指します。

教員からの授業紹介

中西 勇人助教
中西 勇人助教

計量経済学市場・企業・産業コース指定 B群科目

データに踊らされない堅実な分析スキルを獲得する

計量経済学は、経済データを経済モデルを通して分析することで政策や事業の評価を行う経済学の一分野です。このように聞くと、自分には非常に縁遠いもののように感じてしまうかもしれませんが、計量経済学は皆さんの日々の意思決定にも役立つ、考え方のツールボックスを提供します。
たとえば、「英語ができる学生は偏差値が高いので、国語や数学ではなく英語の勉強時間を増やすことが難関大学合格の近道だ」という主張を皆さんは信じますか?もしも、この主張が間違いなのに、それを信じて国語や数学の勉強を減らして英語の勉強時間を増やせば、大きな損失を負うことになるでしょう。
「英語ができる学生は偏差値が高い」という主張は受験生ごとの英語の成績と全教科の偏差値が分かれば真偽を確かめられます。しかし、「英語ができる学生は偏差値が高い」としても、この情報だけから「国語や数学ではなく英語の勉強時間を増やすことが難関大学合格の近道だ」とは言えません。たとえば、お金持ちの家庭ほど幼少時から英会話を習うことができるでしょう。ゆえに、英語ができると偏差値が高いという関係は、両親の能力が高く高収入だと子どもも学力が高いという関係を反映しているだけかもしれません。これは英語の受験勉強の時間と関係ありません。
受験において英語の勉強時間を増やすのが有利だと信じるには、控えめに言っても「1日の勉強時間が同じ受験生同士でも英語に割く時間の割合が大きい受験生は、そうでない受験生とくらべて偏差値が高い」のかを明らかにするべきでしょう。 このためには、偏差値や成績のデータだけでなく、受験生の教科ごとの勉強時間のデータが必要だと分かります。 このように、データから本当に言えることは何なのか、自分の言いたいことを説明するためにはどんなデータが必要なのか、丁寧に考えるための方法を「計量経済学」では学びます。

高校生へのメッセージ

計量経済学には、数学の力も必要ですが、それ以上に、他人だけでなく自分の主張も客観的に分析する科学者のような姿勢が重要です。みなさんがこれから社会で直面する問題には、答えなど設定されていないのですから、この姿勢を身につけることは、皆さんが思う以上に人生を豊かにしてくれるでしょう。

B群科目一覧

「B群科目」は、各コースに固有の専門的内容を学ぶ科目です。学科・専攻の基本となる「A群科目」に続いて、コースを選択した学生が優先的に履修することが推奨されます。

1年次
前学期
基礎経済数学Ⅰ
1年次
後学期
基礎経済数学Ⅱ
2年次
前学期
財政学Ⅰ  経済学史Ⅰ  日本経済史Ⅰ  中級ミクロ経済学
2年次
後学期
財政学Ⅱ  経済学史Ⅱ  日本経済史Ⅱ  中級マクロ経済学  基礎統計学  金融論  経済政策  経済統計
3・4年次
前学期
産業組織論Ⅰ  証券市場論Ⅰ  金融機関論Ⅰ  情報経済論Ⅰ  計量経済学
3・4年次
後学期
産業組織論Ⅱ  証券市場論Ⅱ  金融機関論Ⅱ  情報経済論Ⅱ

※2023年度以降入学者用

教育課程表・シラバス

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