吉岡 忠昭 ゼミナール

研究課題 経済ゼミナールⅠ 「ゲーム理論の初歩」
経済ゼミナールⅡ 「ミクロ経済学とゲーム理論1」
経済ゼミナールⅢ 「ミクロ経済学とゲーム理論2」

研究内容

経済ゼミナールⅠ

初歩レベルのゲーム理論について書かれたテキストをゼミナール形式で学ぶ。

まずは、予備知識を必要としない初歩的なゲーム理論から始めて、次第にミクロ経済学で取り上げられるような事項について学んでいく。

ゲーム理論は、現実を分析する一つの方法である。たとえば、二人の兄弟が一つのケーキを分け合おうとするとき、どのようなルールで分けるように言いつけるのが兄弟げんかをさせないようにする母親の知恵だろうか。また、もし三人以上の兄弟ならどうなるだろうか。さらには、十分に多くの人々からなる社会でも同様の問題を考えることができる。これはその一例に過ぎないが、ここでは身近な『現実』問題を含む経済・経営のさまざまな現象を取り上げる。

問題をゲーム理論的に分析する際の考え方の一つに『戦略』というものがある。これを投票の実例で説明してみよう。いま、学生食堂にAからFまで6種類の定食メニューがあり、学生の人気投票で1位となったものを1日無料にするセールを行う。単純化のため学生は三人だけにする。個人的な1位から6位は左にあるほど好ましいとして、太郎はACBFDE、次郎はCAFEBD、三郎はBEACDFと考えている。個人的な1位に6点、2位に5点…6位に1点をつけるルールのもとで、15点のAが人気投票の結果の1位で1日無料となる。(他は、Bが12点、Cが14点、Dが5点、Eが9点、Fが8点となる。)

ところで、次郎がほかの二人の好みをよく知っていて、CAFEBDでなく、わざとCDFEBAと投票すれば、人気投票の結果、Cが14点で1位に選ばれる。(Aは11点に減り、Dは9点に増えて、BとCとEとFは変わらない。)つまり、次郎は自分の最も好むCをルールに選ばせて1日無料にする『戦略』を持っていると考えられる。

このゼミナールでは、このような戦略的な思考法を、単に自らのために利用しようというだけでなく、広く社会的な問題を解決するために用いていこうという立場で学んでいく。

経済ゼミナールⅡ・Ⅲ

ゼミⅠでの初歩のゲーム理論を復習・再確認しながら、ミクロ経済学・ゲーム理論・行動経済学・経済実験に関連するトピックスを扱っているテキストを輪読形式で学習する。2年次の12月に決めた各自の個人研究のテーマに関する中間報告会を定期的に行う。テーマは上級生の中間報告などを参考にして、自由に選ぶことができる。必ずしも経済学的な内容に限らずにテーマを選んでよい。4年次では、それを論文の形にする。

指導方針

ゼミは少人数ですが、いろいろな人が集まっています。ゼミの学習は経済学とゲーム理論といったものですが、学習以外にも合宿/社会科見学/コンパまで、ゼミ生が各自の得意分野で活躍する機会があります。勉強の遅れもこれら課外活動で挽回(ばんかい)可能です。特に〝ゲーム″に関心のある学生を歓迎します。これまで、当ゼミではナンプレ・ポーカー・ルーレットにチャレンジしました。ゼミ生の提案による教室で実行できる新たなゲームを期待しています。
これまでゼミⅠ・Ⅱで使用したテキストを以下に順不同で列挙しておきます。

指導教員プロフィール

専門分野 理論経済学(近代経済学)。特に社会的選択理論、厚生経済学。
主要業績 『市場メカニズムの再検討』(財)三菱経済研究所
『国際的トランスファーの基礎理論』(財)三菱経済研究所
担当講義名 ミクロ経済学、中級ミクロ経済学、経済外国語A

選考方法

希望調査票にもとづく個別面接による予定です。
詳しくは個別説明会に出席して確認してください。
個別説明会に出席した志望者が優先されます。

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