山本 博史 ゼミナール

研究課題 経済ゼミナールⅢ 「アジア経済・社会・政治の基礎研究Ⅲ」

研究内容

経済ゼミナールⅠ・Ⅱ・Ⅲ

アジア経済の研究を行うゼミナールです。教員はタイを専門としますが、地域としては広義の東アジア(日本からインド)までを扱います。タイ経済に関する研究を続けてきましたのでタイに興味があり、卒論のテーマもタイで考えている学生が一番本格的に指導できますが、アジアの経済を研究する学生諸君であれば当ゼミナールの守備範囲です。過去にはアイルランドに留学して国際労働力移動を卒論のテーマとしたゼミ生がいたりして、みなさんのテーマによっては指導可能な分野もあるので興味がある学生は連絡してください。基本的に人種などの偏見がなく貧しく恵まれない人々の問題を自分の問題として考えてくれる学生を希望します。ただ、貧乏が良いといっているのではありません。アジア経済は人類が経験したことのない規模で経済成長を成し遂げています。その影の部分として経済格差が顕著になっています。逆説的ですが、貧困の分析は経済的な成功への分析でもあります。我々が金銭に良いようにされないために資本主義を勉強しましょう。その研究対象としては経済成長、貧困が混沌と一体となっているアジアは面白いですよ、というのが当ゼミナールの研究に対するメッセージです。金銭的なある程度の余裕は生きていくうえで必要だと思います。アジア経済諸相の分析は世界資本主義の分析であり、日本人にとっても、経済的な諸問題を分析する上で大きなヒントを与えてくれます。

指導方針

ゼミ生と相談してテキストを輪読します。4年生で卒業論文を書くことが目的ですので、輪読と並行してテーマを決定し、レポートを書き発表します。合宿もゼミナール活動の一環ですので欠席できません。ゼミナールですので、欠席はよほどの理由がない限り認めません。課題も出るのでただ出席していればいいわけではありません。それなりの読書、レポート作成の時間が必要ですので、そのつもりで選択してください。ゼミはあくまで学生が主役で、教員はアシスタントです。努力するゼミナールとなることを切に希望します。

担当教員プロフィール

専門分野 アジア経済特にタイ経済タイ地域研究
主要業績 『タイ糖業史』御茶の水書房、1998年。
「タイ砂糖産業」岩波講座東南アジア史6 『植民地経済の繁栄と凋落』(加納啓良編著)岩波書店、2001年。
「政治経済学から見た中国とASEAN関係」『新・アジア経済論』(平川均他編著)文眞堂、2016年。
「第4章タイ経済―経済発展と民主化―」『ASEAN経済新時代と日本』トラン・ヴァン・トゥ編著、文眞堂、2016年。
共編著「第1章 民主主義と経済発展―世界経済のトリレンマとタイ―」『アジアにおける民主主義と経済発展』文眞堂、2019年。
担当講義名 アジア経済論Ⅰ、Ⅱは今は副学長業務が多忙で教えていません。

教員より新ゼミ生へ一言

30代にここの大学院に在籍していました。博士論文を仕上げて某国立大学に就職していたのですが、縁あって六角橋に戻ってきました。日本経済の現状はアジアの途上国との関連なしでは語れないような状況になってきています。日本社会の海外に対する関心の低下に伴い、アジアへの関心の低下も若い人の間に顕著なこの頃ですが、留学を目指すようなゼミ生が出ればと思っています。留学など回り道のようですが指導した留学経験者は確固とした自分を主張することができるので日本社会の中でそれなりの場所を見つけてきました。私自身も大学を浪人、留年の揚句、タイへ9年間留学した経験をもっています。外国への留学や、日本にいても言葉の習得のための勉強は大変ですが、ある程度どこかの言語を習得できれば、我々の人生に限りない「めぐみ」を与えてくれます。視野が国際的になり、異文化を比較することで、他の人が見えないことが見えてきます。このゼミは留学生も多く選択するので、中国人や韓国は好きではないなど外国人が嫌いという方は、このゼミは勧めません。また、2020年の8月31日から9月8日のどこかで1泊2日ゼミ合宿を行います。この期間中に、サークル活動、自動車学校や帰省するなどの理由で参加できない人はこのゼミをとらないでください。3年次、4年次も同じ日程で行う予定です。4年の就職活動で参加できない場合を除き、卒論の発表や就職体験を聞く機会をもつので、強制参加だと考えてください。卒業論文へ向け、みなさんも精一杯頑張りましょう。

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