玉井 義浩 ゼミナール

研究課題 経済ゼミナールⅠ 「市場の失敗と新しいケインズ経済学」
経済ゼミナールⅡ 「家計・企業行動とマクロ経済(1)」
経済ゼミナールⅢ 「家計・企業行動とマクロ経済(2)」

研究内容

経済ゼミナールⅠ

現在、日本をはじめ世界の主要国で中間所得者層の崩壊が進行し、大学生のローン問題、子どもの貧困も深刻です。これについて、

A: 1989年の「ベルリンの壁崩壊」で社会主義が崩壊しグローバリズムと強欲資本主義が席巻したのが問題の元凶だ!という見方と、

B: 格差是正を説くのは悪平等、社会主義への逆行だ!

という見方が(ごく大ざっぱに言えば)対立し社会が「分断」の様相を呈しています。更に政治家が国民に鬱積するルサンチマンを巧みに利用し対立を煽っていることが問題の本質を曇らせています。

一見すると「真逆」の考えの上記AもBも、多くの場合、資本主義や経済学を曲解している点で共通しています。2年後期の経済ゼミナールIでは「ポピュリズム」とは一線を画し、情報の非対称性という市場の失敗の分析でノーベル経済学賞を受賞したJ.スティグリッツの著作を中心に、現在世界で進行している格差問題をはじめとする様々な社会経済問題についての「経済学的に筋の通った」考え方を学びます。

経済ゼミナールⅡ

各自が関心をもつ社会問題を経済理論のツールでどう分析できるかを各自が自由課題レポートにまとめ、それに基づき二、三の研究グループを結成、日本学生経済ゼミナール連合関東部会の大会で論文発表します。参考までに2021年度の3年生の研究テーマを挙げると、「食品ロス」・「プラスチックごみ問題」「人口移動とコンパクトシティー」・「格差問題」などです。

経済ゼミナールⅢ

ゼミナールⅡで培ったノウハウを基に各自の卒業論文を作成します。

指導方針

2年次生のゼミでは教科書・論文の「読解力の養成」(数式の導出プロセスを丹念に追い自分で再現する力の養成を含む)に重点を置きます。発表を割り当てられた者以外にも教科書の内容に関する課題プリントに取り組むことを求めます。

3年次生以降は、データ処理とデータ解釈の能力の養成に重点を置きます。自ら積極的にデータ処理の方法を考える姿勢が求められます。

そのため、3年次に「計量経済学」の履修を強く推奨しています。

その他ゼミ履修の全般を通じ、社会全体に関わる問題についての関心、社会的「公正」とは何かという問題意識が常に求められます。

使用教科書(経済ゼミナールⅠ)

スティグリッツ (山田美明 訳) 『プログレッシブ キャピタリズム』 東洋経済新報社

指導教員プロフィール

専門分野 マクロ経済動学
主要業績 “Aging and Property Prices: A Theory of Very-Long-Run Portfolio Choice and Its Predictions on Japanese Municipalities in the 2040s”(共著者:西村清彦,清水千弘)(Asian Economic Papers Vol.16, No.3, pp.48–74) 2017年
「リスクプレミアムと不確実性プレミアムのトレード=オフ」『商経論叢』(神奈川大学)50巻第1号、pp.51-81、2014年
「ナイト流不確実性と実質賃金の硬直性」『社会科学研究』(東京大学社会科学研究所)63巻1号、pp.51-71、2011年
“On the Dynamic Role of Monopolistic Competition in the Monetary Economy”(共著者:大瀧雅之)(Theoretical Economics Letters vol. 1, pp.114-117)2011年
担当講義名 マクロ経済学・中級マクロ経済学・ミクロ経済学
趣味 ヴァイオリンの演奏(学生時代の部活はオーケストラでした)

教員より新ゼミ生へ

  1. 「興奮」していますか?
    別に変な意味でなく、皆さん「知的に興奮」しながら生活していますか? マクロ経済学は社会の思いもよらぬ現象—自分の消費が巡り巡って再び自分の所得になったり,個別最適を積み重ねても全体最適にならなかったり—への驚きと興奮の連続なのですが、ゼミでこれらを学んでも「別に〜」「シラ〜」という反応しか返って来ないことが増えたように感じます。何で?ここ凄く面白いのに・・・え、何?・・・勉強など受験のためイヤイヤやってきて興味ない?
  2. 子供のときの「どうして?」を大切にしましょう
    私が子供時代、「世の中」について不思議だー、と思ったこととして以下のことがありました。
    1. どうして今の日本人は「和装」でなくてほとんど「洋装」なんだろう?
    2. どうしてモノの値段が少しずつ上がるんだろう? → いざなぎ景気の最後に生まれた私の幼年時代は石油危機後のスタグフレーションの時代にかかっていました。
    3. どうして戦争が起きた(る)んだろう? → 経済学の言葉で言えば「共同利得最大化」や「パレート改善」とは「真逆の」ことがどうしてまかり通るのか、不思議でした。
    4. どうして国によって政治経済状況が違うんだろう? → 私が子供の時、お隣の韓国ではパク・クネ元大統領のお父さんの軍事政権が18年も続き、民主主義とはほど遠く暗い事件も数多く、ニュースを見ながら私は、日本人と見た目のほとんど変わらない人達の国で日本では考えられない悲惨な出来事が起こることに衝撃を受けていました。
  3. 興味の引き出しと連想のネットワークをたくさんつくりましょう
    よって小中高大学での勉強は、私には上の素朴な疑問を解き明かす驚きと興奮の連続でした。経済学は「世の中」が対象ですからあらゆる社会現象だけでなく、趣味の世界とも有機的につながります。私の趣味の音楽の例では、マクロ経済学の始祖ケインズが活躍した時期こういう作曲家や演奏家が活躍し、指揮者の誰それがナチスの迫害を逃れてアメリカに亡命し、etc.・・・。
    皆さんも広く世の中に興味をもち、知識同士を結びつけ深く楽しく経済学を学びましょう。

選考方法

面接によります(①説明会で面接票受領、②面接票の質問項目に記入、③指定日時に面接)。

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