清水 俊裕 ゼミナール

研究課題 経済ゼミナールⅠ 「日本経済を考えるための政治哲学」
経済ゼミナールⅡ 「経済政策の理論と現実」
経済ゼミナールⅢ 「経済政策の研究」

研究内容

経済ゼミナールⅠ

日本経済には様々な問題があるといわれています。膨大な財政赤字、止まらない少子高齢化、地方経済の衰退、……。色々と議論はされているようなのですが、これらの問題について何かしらの方向性が見えたという話はついぞ聞きません。これからの日本経済はどうなっていくのでしょうか。

このゼミでは、日本経済が抱えるこれらの問題について、どうしていったらよいのかを考えようと思います。明るい話にはならないでしょうが、真面目に考えればそうならざるを得ないのです。根拠のない楽観論でも、いたずらな悲観論でもない、現実的な議論を求めます。

ゼミⅠでは、こうした議論のために必要な政治哲学について勉強します。「哲学」というと難しそうですが、具体的な事例から「政策のあるべき姿」を考えていく作業ということです。

議論の前提として、ミクロ経済学・マクロ経済学の理論は必須です。多くの「素人談義」が致命的な誤りを犯してしまうのは、これらの知識がないからです。従って、これらの科目が履修済みであることを応募の条件とします。

また、関連する講義科目の知識も必要になるため、選考に当たっては経済学科経済分析専攻および現代経済専攻の「福祉・環境・公共政策コース」「市場・企業・産業コース」に所属する学生を優先するものとし、その後余った枠に対してそれ以外の学生を選考するものとします。

経済ゼミナールⅡ

神大フェスタ内で行われる合同発表会(プレゼン大会)に参加しますので、それが活動の中心になります。並行して本の輪読も行います。

経済ゼミナールⅢ

経済政策に関連する本の輪読を行います。また、20,000字程度の卒論を書き上げることが推奨されます(必修ではありません)。

指導方針

経済ゼミナールⅠはマイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の輪読を行いつつ、経済政策のあるべき姿について議論します。積極的な発言が歓迎される一方、ただ本を読んでいるだけでは評価されません。経済ゼミナールⅡはプレゼン大会の準備が活動の中心ですが、何をテーマにするかは参加者に任せます。選んだテーマについて、自分たちで資料を探して報告し、議論することが求められます。経済ゼミナールⅢは輪読ですので、指定書の内容を理解した上での議論が求められます。

いずれも評価は出席を重視します。

指導教員プロフィール

専門分野 マクロ経済学・財政学
主要業績 “Heterogeneity of Expectations and Financial Crises-A Stochastic Dynamic Approach-”, Journal of Economic Interaction and Coordination, 2017.
『財政赤字の経済分析をめぐって』三菱経済研究所、2002年
「バブル崩壊後の日本の経済政策」『経済貿易研究』、2011年
担当講義名 経済政策・マクロ経済学・ロジカルシンキング・ミクロ経済学演習・マクロ経済学演習
趣味 将棋(アマ四段です)、音楽鑑賞(昭和の歌謡曲から最近のJ-POP、インストゥルメンタルもクラシックも)、お酒(モルトウィスキーをメインにほぼ何でも)

教員より新ゼミ生へ一言

「経済学を勉強して何の役に立つのか?」と思っている人も少なくないでしょう。度々誤解されているようですが、経済学はお金儲けの役にはほとんど立ちません。むしろ、お金が儲からないことを証明してしまうような学問ですから。

社会へ出てから仕事で使うのか? これはその人次第でしょうが、使う人の方が圧倒的に少ないはずです。

じゃあ役に立たないのか? 「立たない」も答えとしてはアリですが、あえて「立つ」と答えるとしたら?

そうですねえ……。とりあえず新聞やニュースで言ってるから正しい、とは思わなくなりますね。ちょっと勉強すれば、その人たちがいかに不勉強か分かりますから。あと、本の読み方や映画の見方が変わります。その程度ですけど、それで良ければ勉強してみませんか?

選考方法

ゼミナールⅠ
面接によります。事前にエントリーシートを提出してもらいます。エントリーシートの配布および応募に当たっての注意事項についての説明がありますので、必ず個別説明会に参加してください。

ゼミナールⅡ
ゼミⅠからの継続者は履修を許可します。そうでない人は欠員補充分のみ認めます。追加募集については授業開始前に学部からのお知らせが出ますので、参加を希望する人は注意しておいてください。

ゼミナールⅢ
ゼミⅡからの継続者のみ履修を許可します。

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