三浦 慎太郎 ゼミナール
研究課題 | 経済ゼミナールⅠ 「ゲーム理論とその応用:ゲーム・マインドの実践」 経済ゼミナールⅡ 「ゲーム理論とその応用:ゲーム・マインドの習得」 経済ゼミナールⅢ 「卒論研究」 |
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研究内容
本ゼミナールではゲーム理論の基礎を学ぶことを通じてゲーム・マインドを身に着けることを目標とする。ゲーム理論は現代経済学における主要理論の一つであり、『「私」と「あなた」の駆け引き』を考える理論である。日常生活において私たちは様々な決断をしている。例えば、今日はどの服を着るか、どんな順番で仕事をこなしていくか、好きな異性にどうアプローチするか…etc。このような意思決定の多くは自分だけで完結するものではなく、自分の決断に対して他人がどのようにリアクションしてくるかを考慮しなければならない。このような相互依存関係を分析するための「物事の見方・考え方」がゲーム理論である。そのためゲーム理論は経済学のみならず、政治学・法学・社会学・生物学・工学…etc、その他の分野においても広く用いられている。本ゼミナールの主目的は、ゲーム理論の学習を通じて「他人の考え方や行動を理解し、利害の対立を克服して協力関係を築くための理性と感性」、即ち業界用語での「ゲーム・マインド」を磨くことである。
経済ゼミナールⅠ
ゼミⅠではゲーム・マインドの体感を主目的とする。具体的には様々なケーススタディの学習を通して、「日常生活においてゲーム・マインドはどのように使うことが出来るか?」を実感してもらう。
経済ゼミナールⅡ
ゼミⅡではゲーム・マインドの習得を主目的とし、ゲーム理論を体系的に学習する。また卒論研究も三年時より始める。卒論のテーマは理論分析が含まれていれば自由に選んで構わない。
経済ゼミナールⅢ
ゼミⅢでは卒論研究の報告を行う。
指導方針
下記テキストの輪読を行う。毎回担当者が該当箇所の内容を報告し(レジュメを使用のこと)、その内容を全員で議論することを通して理解を深める。内容の理解は当然として、プレゼンの方法についても併せて指導していく。
テキスト
ゼミナールⅠ
- 1. ディキシット・ネイルバフ『戦略的思考をどう実践するか エール大学式ゲーム理論の活用法』阪急コミュニケーションズ 2010年
- 2. 天谷研一『図解で学ぶゲーム理論入門』日本能率協会マネジメントセンター 2011年
ゼミナールⅡ
- 3. 岡田章『ゲーム理論・入門[新版]―人間社会の理解のために』有斐閣 2014年
- 4. 岡田章・加茂和幸・三上和彦・宮川敏治『ゲーム理論ワークブック』有斐閣 2015年
ゼミナールⅢ
各自の興味関心に沿ったテキストを適宜使用する。
本ゼミで扱う内容を前もって知りたい場合、以下のテキストの参照を強く勧める。
- 5. 伊藤秀史『ひたすら読むエコノミクス』有斐閣 2012年
指導教員プロフィール
専門分野 | ミクロ経済学・ゲーム理論・応用経済学 |
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主要業績 | “Maximal Miscommunication,”Economics Letters, 188, Article 108962, 2020 (with Takuro Yamashita) “Manipulated News Model: Electoral Competition and Mass Media,” Games and Economic Behavior, 113: 306-308, 2019. “Minor Candidates as Kingmakers,” Public Choice, 170(3): 253-263, 2017 (with Akifumi Ishihara) . “Multidimensional Cheap Talk with Sequential Messages,” Games and Economic Behavior, 87: 419-441, 2014. “A Characterization of Equilibrium Set of Persuasion Games with Binary Actions,” Journal of Mathematical Economics, 51: 55-68, 2014. “Delegation and Strategic Silence,” mimeo, 2022 (with Akifumi Ishihara). |
担当講義名 | 産業組織論Ⅰ・Ⅱ, ロジカルシンキング |
研究室 | 1-510 |
趣味 | マンガ・テレビゲーム・アニメ等サブカルチャー全般 |
教員より新ゼミ生へ一言
大学四年間は人生の中で最も自由に時間を使える期間です。ジャンルは何でもいいので是非とも己の全存在をかけた「壮大な無駄」に挑戦してみて下さい。姑息な無駄は単なる無駄で終わりますが、壮大な無駄は人生の財産となります。皆さんの「他人には負けない・真似できない何か」を探すお手伝いが出来れば幸いです。
本ゼミでは学問の性格上、多少の数学は使います。しかしながら大学入試で出題されるような凝ったものは現段階では必要ありません。教科書レベルが出来れば十分です。むしろ論理のステップを根気よく追い続けることが重要となります。理詰めで考えることが好きな人・新しい事に挑戦してみたい人・しっかりと勉強したい人・ゲームが大好きな人の参加を歓迎します。
選考方法
ゼミナールⅠ
本ゼミの希望者は以下の手順に従うこと。
- ゼミ説明会に参加し、エントリーシートを記入。(日時は追って連絡する)
- 締切りまでに以下の書類を研究室まで提出のこと。(締切りは追って連絡する)
- 一年次の成績通知表
- レポート『ゼミ志望理由』(A4一枚程度)
- 研究室で面接を行う。
ゼミナールⅡ
原則的にゼミナールⅠからの参加者のみ履修を認めるが、数名程度他ゼミからの転入を認めることもある。転入者は以下の手順に従うこと。
- 事前にメールで私にアポイントをとり、ゼミの説明を受けること。
- 締切りまでに以下の書類を研究室まで提出のこと。(締切りは追って連絡する)
- 二年次の成績通知表
- レポート『ゼミ志望理由』(A4一枚程度)。
- 研究室で面接を行う。
ゼミナールⅢ
原則的にゼミナールⅡからの参加者のみ履修を認めるが、以下の条件を満たす場合は面談の上、履修を認めることもある。
- ミクロ経済学・ゲーム理論を十分に習熟しているもの。
具体的には上記テキスト3の内容理解を要求する。