權 純鎬 ゼミナール
研究課題 |
経済ゼミナールⅠ 「消費者理解とマーケティングⅠ」 経済ゼミナールⅡ 「消費者理解とマーケティングⅡ」 経済ゼミナールⅢ 「消費者理解とマーケティングⅢ」 |
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研究内容
近年、多くの商品がデジタル化され、また所有する時代から借りる時代へと変わりつつあります。もうひとつ変化として、オンライン小売の成長があげられます。テクノロジーの発展により、これまで以上にオンラインで買い物をする消費者が増えています。
一方で、このような買い物環境の変化は消費者の購買行動にも影響を及ぼしています。例えば、紙書籍が電子書籍になったことで、同じ内容であるにも関わらず、消費者は書籍に対する評価を変えるという研究結果があります。合理的に考えたらどちらの形態でも同じ便益をもたらす商品のはずですが、消費者はなぜ異なる評価を行うのでしょうか。
このような消費者の行動を理解するための様々なアプローチがありますが、本ゼミでは消費者の心理的メカニズムに注目します。一見すると不思議に見える消費者の行動には、何らかの理由や規則性が潜んでいます。ゼミでは心理学や社会学の理論を学びつつ、これらの理論をマーケティングの文脈に応用し、消費者理解とマーケティングについて研究を行っていきます。
また、消費者への理解をより深めるためには、普段の消費行動への関心を持つことも大事です。マーケティングの面白いところは、我々自身も消費者としてその研究対象に含まれていることです。日頃の買い物行動について意識的に振り返ってみることによって、研究の様々なヒントを得ることができると考えています。
ゼミの進め方
本ゼミナールは、マーケティングや広告、消費者行動に関する知識を習得して、外部企画への挑戦や研究レポートの作成を通して、マーケティング力を醸成することを目的とします。
経済ゼミナールⅠ
輪読を通してマーケティングの基本的知識を身につけていきます。輪読に当たっては、あらかじめ専門書を決め、毎週報告と議論を行います。専門書の内容をまとめて紹介するだけでなく、その内容を批判的に捉え、ゼミのメンバー同士で議論することで、マーケティング思考への理解を深めることを目指します。
経済ゼミナールⅡ
理論と実証の2つの軸をもとに活動します。理論の学習は、専門書および国内外の文献について輪読を行い、批判的思考および論理的思考の醸成を目指します。また、外部企画(ビジネスコンテストや研究大会など)に参加し、マーケティング理論を用いた実証的研究に取り組みます。
経済ゼミナールⅢ
前半は、外部企画の参加を主な活動として予定しています。そして、後半にはゼミⅠおよびゼミⅡで学習・経験したことをベースとして、各自の興味に基づいて卒業研究の作成に取り組みます。卒業論文執筆にあたって、研究の進捗を確認するため、定期的に報告会を行います。
また、ゼミナール全体では以下のことを行います。
- ゼミ生による企画と合宿の実施(状況によって、他の活動に変更される可能性あり)。
- 外部企画の締切日によっては、夏休みや春休み中にサブゼミを実施する可能性があります。
指導方針
ゼミ活動はゼミ生の主体性に基づいて行われます。受け身の姿勢ではなく、積極的に学ぼうとする意欲のある学生を歓迎します。また、理論の勉強はもちろんのことですが、理論に基づいて自分の仮説を実証することも重要視します。
輪読や外部企画を進めていくうえで、ゼミ生同士での議論が必要となります。議論の際には積極的に発言すること、また人の意見を聞くこと、この2つの力を養ってもらいたいと思います。また、ゼミ活動はグループワークが中心となります。そのため、遅刻・欠席が多いとゼミを円滑に進めることができません。特段の理由がない限り、遅刻・欠席は認められません。
指導教員プロフィール
専門分野 | 消費者行動、マーケティング・コミュニケーション |
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主要業績 | 權純鎬・河股久司・須田孝徳(2023)「電子媒体の画面接触が決済サービスのコントロール感と心理的所有感に及ぼす影響」『マーケティング・ジャーナル』、Vol.42(3)、pp.51-62。 權純鎬(2021)「デジタル環境における心理的所有感の影響」『マーケティング・ジャーナル』、Vol.40(4)、pp66-74。 權純鎬(2020) 「マーケティング・コミュニケーションにおける媒体効果と影響要因」『JSMDレビュー』、4巻1号、pp.9-16。 |
担当講義名 | マーケティングⅠ・Ⅱ、FYS |
教員より新ゼミ生へ一言
消費者を理解するには、まずは自分や友人、家族など身近にある消費者の購買行動に関心を持つことが重要です。また、商品のパッケージや広告など企業のマーケティングも意識的に観察するようにしましょう。このような観察は様々な示唆をもたらしてくれると思います。
また、ゼミは大学生活の中でも多くの時間を費やす活動です。その間、全力で勉強し、また全力で遊び、小さな成功体験をたくさん積み重ねてもらいたいと思います。
選考方法
事前課題の提出と面接により選考を行います。応募方法や事前課題の内容はゼミ説明会で配布しますので、当ゼミに応募するためには説明会への参加が必要となります。「マーケティングⅠ・Ⅱ」の履修していることが望ましいです。
また、パソコンを利用してデータ分析やプレゼンテーションを行うため、パソコン操作に関する多少の知識が必要になります。ただし、パソコン初心者でも学ぶ意欲がある学生は歓迎します。