數阪 孝志 ゼミナール

研究課題 経済ゼミナールⅠ 「相場の経済学を学ぶⅠ」
経済ゼミナールⅡ 「相場の経済学を学ぶⅡ」
経済ゼミナールⅢ 「研究のまとめ」

研究内容

経済ゼミナールⅠ

日本経済は一国だけで成り立っているのでありません。国際的な経済連携の中で日々動いています。そのことを最もよく示すのは、相場(そうば)の変化です。外国為替相場や株価指数は日本がどのような状況に置かれ、どのような方向に進もうとしているかを示すバロメータです。相場の動きは、日本経済の実体面の「出来・不出来」をベースとしますが、日本経済が国際関係の中で動いている以上、国際経済の動きとの連動を知らねばなりません。さらに、経済的要因以外にも、政治的・社会的要因の影響を強く受けます。一見すると予測不可能に動いているようにみえる相場は、どのような複雑な要因が絡まり合って変化しているのか、これを学ぼうというのがこのゼミナールの趣旨です。私は、学部の授業で、3年生以上の証券市場論・金融機関論を担当しています。そこで強調しているのは、相場の動きに影響を与える国際的な経済連携、政治的・社会的変化、各国間の戦略等を俯瞰的にみる視点を養うことだと言っています。あなたも相場の動きを「読める」経済学部生になりましょう。

経済ゼミナールⅡ

日本は経済面(GDPの大きさ)では世界第3位の位置にありますが、すでに人口減少社会に突入しており、もともと石油等の天然資源に乏しく、地理的要因から大地震等自然災害への備えも必須となっています。国際関係においては憲法上の制約から対外的な紛争処理において特別な対応が求められる国です。このような状況で、日本は国際関係にとくに気を配らねばならないといえるでしょう。

ゼミナールⅠでは「相場の経済学」の入門として、内外の毎週のニュースを取り上げ、なぜそのニュースに注目したのか、どのような点がポイントか、相場にどのような影響を与えるかについて、ゼミ生から発表してもらい、討論しました。その中で、国際感覚と日本を取り巻く経済情勢に対する観察眼を養うことの重要性を認識できるようにしました。

このゼミナールⅡでは、引き続き、経済ニュースを中心に、国際関係を軸として日本の姿を考えながら、相場の動きにどのような影響があらわれるのかを考えます。そのために、大学図書館が提供しているデータベースと活用するとともに、ネット上の各種論説を読みながら、関係文献を読み進め、理解を深めるようにします。とくに、3年生では、株式、外国為替相場、原油価格を中心とした商品相場のうち、自分が専門とする分野を決め、そのウォッチャーとなることを目指します。

経済ゼミナールⅢ

国際関係に関するこれまでの研究をベースとして関連の参考文献をさらに読み進めると同時に、社会人としてスタートするための準備として実用的な経済知識を身につけるため、関連文献を読みます。

指導方針

経済ゼミナールⅠ

「相場」というものを知る最もよい方法は、現実の経済の動きを「肌で感じることができる」ようになるまで、ニュースのチェックを徹底的にすることです。そのため、このゼミナールでは大学図書館のデータベースを利用して、経済・政治・社会ニュースを読み込む訓練をします。もちろん、経済の基礎的な理解は最も重要なベースですので、毎週のニュースのチェックと2本立てで行います。なお、相場の研究といっても、投資・利殖のノウハウではありませんので、そのようなことに興味のある学生は向いていません。

経済ゼミナールⅡ

第1に、現在の日本を取り巻く国際環境を理解しなければなりません。そのためには経済安全保障をキーワードとして、日本経済の進むべき道、戦略的な立脚点を確かめることが重要です。基本文献として、『経済安全保障リスク』『米中の経済安全保障戦略』『安全保障戦略』などがありますので、まずこれらを読み進めます。

第2に、各ゼミ生が最も興味を持つ相場の動きに焦点を絞り、それぞれの調査を行います。株式の場合は、日米だけでなくヨーロッパを含めた世界の証券市場を見ること、外国為替相場ならば、円ドルレートだけでなく、ユーロやポンドなど取引通貨に関する調査をすること、原油ならば、WTI、北海ブレント、ドバイ相場をトレースすることが、重要です。各種ニュースメディアを使って、それぞれの変動をウォッチします。

経済ゼミナールⅢ

国際関係の理解を進めるためには様々な文献があります。古典として、E.H.カーの『危機の二十年』やハンス・モーゲンソーの『国際政治』は必読文献ですし、本格的な戦略研究の専門書として、ジョン・ミアシャイマーの『大国政治の悲劇』(新装完全版)や、コリン・グレイ&ジェフリー・スローンの『地政学 地理と戦略』は有益です。以上4冊を中心に、各ゼミ生のこれまでの研究のまとめを行います。

担当教員プロフィール

専門分野 金融論(銀行経営論、地域金融論)
主要業績 『アメリカ商業銀行の多角的展開』東洋経済新報社
『日本型金融システムの転機』東京大学出版会
担当講義名 金融機関論、証券市場論、国際金融論

教員より新ゼミ生への一言

大学時代に、社会に出てからも通用する広い視野と常に疑問をもつ「研究的」な態度を身につけることが必要です。このゼミでは、これからの日本の針路に心をよせるハートとたくさんの資料を読みこなすガッツを併せ持っている学生を歓迎します。

選考方法

1次専攻では面接を重視します。面接の際に、世界の動きに対し日本はどのような立場でのぞむべきか、というテーマで、400字にまとめて持参してください。

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