舟橋 秀治 ゼミナール
研究課題 | 経済ゼミナールⅠ 「金融工学へのプロローグ」 経済ゼミナールⅡ 「金融工学(応用と実践)」 経済ゼミナールⅢ 「卒業研究・論文執筆」 |
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研究内容
金融工学は,未来の不確実性により生じるリスクを定量的に分析する学問でありツールです.経済理論と金融実務の架け橋として,銀行・証券・保険などの金融機関はもちろんのこと,一般事業会社や公共団体などの企画・経営・管理の実務に広く適用されています.
近年の金融工学の広がりは,金融機関における資産運用,リスク管理,デリバティブのプライシングなどに留まらず,企業の合併や買収(M&A),投資戦略や事業計画の立案,資金調達や最適資本構成の問題など企業経営の根幹にかかわる問題にも応用されています.さらに,ここ数年は最新のビッグデータ分析やAIの技術を取り込むことで,金融工学は現在も加速度的に発展を続けています.
本ゼミでは,金融機関や企業の財務・経理部門などへの勤務を希望する方,会社の経営・管理を志す方,システムエンジニアを目指している方などを対象に,現実の様々な問題に対してファイナンスの理論を当てはめ,表計算ソフトやプログラミング言語を用いて計量的な分析を習得するカリキュラムを提供し,自ら考え実践するための応用力の育成を目指します.
資格試験とりわけ,証券アナリスト,ファイナンシャルプラナー,アクチュアリーを受験することを検討している学生も是非参加してください.
経済ゼミナールⅠ「金融工学へのプロローグ」
初歩レベルのファイナンス理論・金融工学について書かれた教科書をたたき台にして,(1)ポートフォリオ選択理論,(2)金融商品の価格付け,(3)リスク計測手法,(4)リアルオプション,(5)コーポレートファイナンスなどの基礎を学習し,ファイナンスに現れる数理的手法(特に統計・確率論)を理解し,表計算ソフトやプログラミング言語などを用いて例題を解く力を身につけることを目標とします.
経済ゼミナールⅡ「金融工学(応用と実践)」
前半では,引き続き応用レベルの金融工学について書かれた文献や資料に触れながら,ファイナンス理論の理解を深めていきます.同時に,ゼミ生各自が卒業研究のテーマを探します.後半では,選んだテーマをベースに課題を報告書にまとめパワーポイントを用いて発表し,参加者全員で議論することを繰り返し,問題解決の糸口を見つけていきます.
経済ゼミナールⅢ「卒業研究・論文執筆」
ゼミⅡで取り組んだ研究成果を発展させ,卒業論文を完成させます.
指導方針
ゼミ開始時点において前提知識を要求しませんが,金融工学を自在に操るためにはファイナンス,数学,数値計算などの多岐にわたる知識が必要になります.特に金融工学は計量的な分析を生業にする学問ですから,全く数式を使わないというわけにはいきません.本ゼミでは,経済学部の学生が数学とりわけ統計・確率の知識を学びながらファイナンス理論を習得していくことを前提にカリキュラムを組んでいます.可能な限り簡単な数式と具体例を用いて理解を深めていきますが,これらの知識は社会に出てからも仕事や生活で幅広く応用できるものですから,拒絶するのではなく前向きに取り組んでください.
ゼミⅡやゼミⅢでは,卒業研究に向けて(1)専門書・論文の読み方や(2)研究報告書の書き方など,参加者の習熟度に合わせて指導していきます.ゼミは,自分で課題を見つけてそれを解決する力,仲間に物事を伝え協働する力などを育成する場であり,自主的に学ぶ姿勢が重視されます.受講生の一人一人が自分の課題を報告し意見を述べ,それに基づいて活発に議論できるように指導していきたいと思いますので,これまであまり人前で発表したことがない方も臆せず挑戦してください.
指導教員プロフィール
専門分野 | 金融工学,数理ファイナンス,金融数値計算法 |
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研究テーマ | 派生証券の価格付け,AI技術の金融への応用,金融リスク管理 |
職務経験 | 投資銀行におけるクオンツやリスク管理業務 |
講義名担当 | ファイナンス(基礎,応用) 他 |
主要業績 |
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教員より新ゼミ生へ一言
ファイナンス理論や金融工学を研究テーマにあげていますが,これらの科目に触れたことがない学生でも,新しいことに挑戦することが好きな方,これまでに何か(部活,アルバイト,資格試験など)に一生懸命取り組んだ経験がある方,経済学の現実社会への応用に興味のある方を歓迎します.
選考方針
個別説明会でエントリーシートの配布及び応募に当たっての注意事項や選考方法についてご案内します.応募者は説明会に出席し,ゼミナールの内容を理解したうえで応募してください.志望者多数の場合は書類や面接で選考しますが,ゼミナールのテーマに興味を持ってくれた学生を優先します.