道満 治彦 ゼミナール
研究課題 | 経済ゼミナールⅠ 「EUを中心とした先進国各国の経済や政策を学ぶ(入門編)」 経済ゼミナールⅡ 「EUを中心とした先進国各国の経済や政策を学ぶ(基礎編)」 経済ゼミナールⅢ 「EUを中心とした先進国各国の経済や政策を学ぶ(応用編)」 |
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研究内容
本ゼミナールでは、先進国各国の経済や政策、政治・社会を学びます。その中でも、EU(欧州連合)を中心に学んでいきます。EUや他国の経済・諸政策を学ぶことは、現在の日本の経済や社会制度をとらえる視点として重要になります。
近年、EUにおいては、英国のEU離脱問題(BREXIT)が大きく注目されています。では、BREXITや欧州各国におけるポピュリズムの台頭といった「分断」がなぜ起こっていっているのでしょうか。またEUではウィズコロナ・アフターコロナを見据えて、欧州グリーンディールとデジタル単一市場を中心的な柱に添えた成長戦略が打ち出されています。では、EUはそれらの成長戦略をもとにどこに向かおうとしているのでしょうか。それを知るには、(1)ヨーロッパ(特にEU)における「統合」、(2)財・サービス・人・資本の4つの自由移動、(3)統一通貨ユーロ、(4)農業・通商・産業・環境・エネルギーといった分野におけるEUの諸政策、がどういう形で行われてきたのかが重要です。本ゼミナールでは、EUとは何か、北米(米国、カナダ)や日本などとの経済や制度との違いはどのような違いがあるのかを多角的に考えていきます。
経済ゼミナールⅠ
経済ゼミナールⅠでは、入門テキストを使ってEU経済の基礎を学び、日本や北米との違いについて考えていきます。また、必要に応じて日本経済・世界経済に関する時事問題についても幅広く扱います。
経済ゼミナールⅡa・Ⅱb
経済ゼミナールⅡa・Ⅱbでは、EU経済に関する基本的な文献を輪読し、日本や北米との違いについて考えていきます。特に、欧州グリーンディールをはじめとするEUの経済政策や環境政策についての理解を深めます。また、必要に応じて日本経済・世界経済に関する時事問題についても幅広く扱います。
経済ゼミナールⅢa・Ⅲb
経済ゼミナールⅢa・Ⅲbでは、各自の問題意識をもとに、卒業論文執筆に取り組みます。
指導方針
経済ゼミナールⅠおよび経済ゼミナールⅡa・Ⅱbでは、輪読をベースに基礎を学んでいきます。担当者を決め、報告をし、ディスカッションを行います。報告者以外も該当範囲を読んで来ることが最低限求められます。ゼミ合宿や他大学の交流ゼミ、ゲスト講義等も行う予定で計画しています(が、実施の有無は新型コロナウイルス感染拡大の状況次第で判断します)。
基本的にはゼミ生の主体性を重視します。評価はゼミナールへの貢献度(報告内容、議論への参加、レポート等の課題への取り組みなど)で評価します。なお、ゼミナールという科目の性格上、特段の事情がない限り欠席は認められません。
教科書・参考書
※下記を輪読用書籍(ゼミ書)の候補として考えています。ゼミ書は履習者と相談の上、決定します。
経済ゼミナールⅠ(2022年度使用)
- 本田雅子・山本いづみ(2022)『EU経済入門〔第2版〕』文眞堂
経済ゼミナールⅡa・Ⅱb(2022年度使用)
- 蓮見雄・高屋定美(2021)『沈まぬユーロ-多極化時代における20年目の挑戦』文眞堂
- 高橋洋(2021)『エネルギー転換の国際政治経済学』日本評論社
- 白井さゆり『カーボンニュートラルをめぐる世界の潮流-政策・マネー・市民社会』文眞堂
その他のゼミ書候補
- 蓮見雄・高屋定美(2023)『欧州グリーンディールとEU経済の復興』文眞堂
- 池本修一・田中宏(2022)『脱炭素・脱ロシア時代のEV戦略』文眞堂
- 井上淳(2020)『はじめて学ぶEU-歴史・制度・政策』法律文化社
- 小島健(2016)『知識ゼロからのユーロ入門』幻冬舎
- 鷲江義勝(2020)『EU-欧州統合の現在[第4版]』創元社 など
指導教員プロフィール
専門分野 | ヨーロッパ経済論(特にEUの環境・エネルギー政策)、比較政治経済学、環境政策論 |
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主要業績 | 「グリーンディールの前提としての再エネ政策―優先規定の変遷から見る日本への示唆―」(蓮見雄・高屋定美『欧州グリーンディールとEU経済の復興』文眞堂、2023年)、「気候危機時代における環境政策と企業-気候中立とコロナ後のグリーン・リカバリーに向けて-」(比較経営研究45号、2021年)、「日本における再生可能エネルギーの「優先接続」論争の論理的帰結 -EU指令および日本における政策決定過程からの示唆-」(経済貿易研究:研究所年報47号、2021年)、「EUにおける再生可能エネルギーの「優先接続」の発達 ―2001年および2009年再生可能エネルギー指令における“Priority Access”“Priority Connection”の概念を巡って」(日本EU学会年報39号、2019年)など |
担当講義名 | ヨーロッパ経済論Ⅰ・Ⅱ、FYS |
その他 | 4年目のゼミナールです。趣味は週末のサッカー観戦。 |
教員より新ゼミ生へ
教員の専門はEUを中心とした先進各国の環境・エネルギー政策の比較研究で、特に再生可能エネルギー政策や電力市場改革、グリーンニューディール政策を研究対象としています。最近はそれに加えて、環境政策と企業経営の関係性についての研究にも取り組んでいます。以前、環境NGOに約5年間勤務していました。
ゼミナールは学生の皆さん一人一人が主体的に取り組めることが大事です。しっかりした問題意識をもって、何にでも関心を持って取り組む姿勢を大切にしてください。いいゼミナール活動できるよう皆さん一緒に頑張りましょう!
選考方法
小レポート、簡単なエントリーシート、面接で選考します。